機械の整備の中で、ボルトを締めるという動作は非常に重要なことです。
もし、ボルトをしっかり締めずに機械を動かしてしまうと、振動でボルトが緩み、やがては抜け落ちて重大な事故に繋がることがあります。
機械の部品締結を頑丈にする事だけであれば、溶接構造が一番強度があるのですが、機械は部品を外してメンテナンスしたり、微調整をする部分を必要としますので、ボルトで締結する部分が必ず必要になってきます。
メンテナンスの容易さとは
機械のプロフェッショナルであれば、機械のメンテナンスはお手の物なのですが、実際にラインが稼働してからのメンテナンスは、機械に対しての知識やメンテナンスの技術が高いわけではありません。狭い場所や見えにくい場所にボルトがあれば、メンテナンスに時間が掛かってしまいます。メンテナンスの容易さとは、見えやすい・作業しやすい場所にボルトの位置がある状態と言えます。
ボルトの数と配置
ボルトの数と配置は、ボルトのサイズと締結力から算出して、正しい位置に配置することが重要です。
もし、レイアウトの関係で、変則的な配置でレイアウトする場合、その箇所がメンテナンスで頻繁に取り外しが必要な場合は、機械の設計を見直して、変則的な配置を改めることを検討した方がよいでしょう。設計者と組立調整する人間からは容易なことも、実際にメンテナンスする人にとってはトラブルの原因となるからです。
まとめ
機械に慣れていない人が調整作業やメンテナンスを行うと、ボルトを紛失してしまったり、ボルトを折ってしまったりと、機械調整以前の問題が多く発生します。できるだけその様な負担を軽減させることが、機械を稼働させる人たちにとって最善の機械設計であると言えます。ボルトの位置はメンテナンスの難易度を左右します。設計の段階で容易なメンテナンスを意識することが重要です。