ステンレスの鋼材を使用しての機械部品を製作する際に、ステンレスの材質の特徴を知っておく必要があります。
ここでは機械部品としての観点からステンレスの取り扱い点をまとめました。
ステンレスはサビないという間違い
ステンレスは、錆びないのではなく錆びにくいということになります。
ステンレスは鉄にクロム・ニッケルなどの元素を加えた合金鋼です。
鉄であれば酸化して錆びてしまうのですが、クロムを含めることで表面にうすい酸化皮膜を作り周辺環境と反応しにくくなり錆にくくなります。
錆び難いステンレスですが、錆びてしまう条件があります
ステンレスは切削し難い
ステンレスという鋼材は熱伝導率が低く、切削時に発生する熱(800℃~1200℃程度)が工具刃先に集中します。このため加工の際に発生する熱がドリルやバイトに集中し、工具の寿命を縮めてしまいます。また、金属に応力を与えると塑性変形によって硬さが増す現象である加工硬化を引き起こす材質ですので、難加工鋼材で知られています。このために部品加工する際は、鉄やアルミに比べて加工費用が高くなる傾向があります。