高速度鋼と金属加工の関係


高速度鋼と金属加工

高速度鋼とは、金属加工の工具の材料とするべく開発された工具鋼で、高温下でも軟化しにくく、高速での金属材料の切削が可能です。「ハイスピード・スチール」を略してハイスとも呼ばれHSSと略記されます。
高速度鋼は、高温下でも軟化しにくい硬度を高めるために、鋼にタングステン、モリブデン、クロム、バナジウムなどの金属成分を配合したもので、焼入れを施した後、研磨され成形して使用されます。
超硬合金と比較すると、耐摩耗性においてはやや劣りますが靭性に富んでいます。
工具鋼としては0.60~1.50%の炭素を添加した炭素工具鋼や炭素工具鋼にタングステン、クロム、バナジウムなどを加えた合金工具鋼、
炭素工具鋼に3%以上のクロムを添加し、タングステン、モリブデン、バナジウムなどを加えた合金工具鋼などがありますが、なかでも高速度鋼は高価でもあります。

最近では、粉末冶金法によってさらなる高合金化を図った焼結高速度鋼による表面への窒化チタン等の高耐磨耗性被膜の形成が盛んに行われており、超硬合金では靭性が足りない場合での金属加工に用いられる工具の材料として使用されています。例として言えばドリルやエンドミル、金属用鋸刃の材料としてしばしば使われています。中でもコバルトを添加した高速度鋼はコバルトハイスと呼ばれ、焼きもどしの抵抗性や高温での硬度が高く、加工時に高温に曝されるステンレス鋼の穴あけなどに使用されます。

JISにおいては、JIS G4403として13種の高速度鋼が規定されています。